信治先生の日記

金光教宇都宮教会の教師です。ひきこもりからの助かりや、日々のことを綴っています。

期待されると

兵庫県で初めての一人暮らしの時、アルバイトをしていました。

 

まだ引きこもりから間もなく、ちゃんとできるかは心配でしたが、働かないと生活できません。

これまで何とか頑張ろうとしても無理でしたから。力んでも空しくなるばかりで、、、そこは分かっていたので、とにかく自分の力でしようとず、神様にお願いしながらです。

 

採用されたのはとあるドーナツ屋さんでした。仕事内容は希望かなわず主に接客でしたので、今思うとなかなか思い切った性格なのかもしれません。

 

それでも一日一日何とか自分なりにお仕事を頑張りました。

高校を登校拒否になってからは、お先真っ暗な人生でしたから、こうしてアルバイトでき一人暮らしでき、本当に夢のようなことでした。

頑張りがいもあり、仕事を任せてもらえたり期待されるのことが、ただただ嬉しかったです。そのため、急な勤務でも頼まれたら断れませんでした。

 

「こんな自分でも役に立てるなら」「困っているなら」という思いから「嫌われたくない」と知らず知らず変化していき、苦しくなっていきました。

期待に応えたい、必要とされたいと気持ちが強くなり、徐々に自分の首を絞めていたのです。

 

教会にお参りする中で、そうした自分の心を見つめ、お結界で聴いて頂いたり、

「それであなたはしんどくないか?」と先生に問われて始めて、

ようやく自分の考え方や、心の動きの癖を知ることになるのです。

 

それでも今までそうして生きてきた訳ですから、修正するのに痛みが伴います。

具体的には、急な出勤を断ることですが、なかなか怖くて勇気がいりました。

 

続いて先生から「お店が困っているなら、入れる人が見つかるように。お店や店長さんが困らないように、お願いしたらよいですよ。」とも教えて頂き、ハッとしました。

 

私も、自分ではどうしようもない所を神様にお願いさせて頂いて、ここまでおかげを頂いてきたわけですから、当然、私以外でもそうなのです。

今までが、自分の力で何とかしないといけない。という所から、自分では抜け出せない状況になると、絶望だったわけですから。

 

1,自分の価値は、他人に必要とされるからという不確かものではなく、そもそも尊い命であることに気付くこと。

2,自分のことも、お店のことも、自由にはならないから、神様に祈るということ。

 

今後の助かりにも大きく影響する、この二つをよく学ばせて頂いた経験となったのでした。